夜18時。10月3日ともなれば、もう真っ暗です。閉館して静かになった「sakumo」の企画展示室に灯ったあかりに集まるように、おじいちゃんおばあちゃんなど大人のお客様たちが集まってきました。普段は子供たちが声を上げて走り回っている姿を目にするのが普通の場所だけに、なんだか不思議な感じがします。例えれば大人の秘密の催しが夜な夜な行われている、かぐらいの感じです。いえいえ、もちろんそんなことはないのですが。
パフォーマーでもある館長のなおやマンのトサカの髪型、ピンクのスーツがひと際目を引きます。独自のネットワークとアイデアで、さまざまなイベントやワークショップを行なっているなおやマンと、地元で演劇活動を行なっているメンバーが実行委員会を結成してくれました。佐久は音楽が盛んですが、演劇となると、佐久コスモホール(奥村達夫館長兼芸術監督)が市民ミュージカル「心のミュージカル」や「キッズ・サーキット」など奮闘していたり、地域の演劇祭もありますが、見る機会となるとまだまだ少ないようです。
『月夜のファウスト』一座も、この日がツアー1日目。もちろんプロフェッショナルなスタッフが集まっているので作業は着々と進んでいきます。しかし、それでも今後のツアーは終演後に舞台装置をバラして次の会場のある街まで行く、翌朝早々から改めて舞台を組み上げていくというような作業が続きます。ですから、最初の一歩は、緊張しないわけがありません。
開演間近になると、若い仕事帰りのお客様も集まって、幸先よく約65名余りによって客席が埋まりました。少し固い雰囲気だった客席も、役者陣が語る戦後の武蔵野の風景の描写に「うん、うん」とうなづく回数のたびに、少しずつ少しずつほぐれていくようでした。拍手も徐々に大きくなっていきました。静かにご覧になっている方が多かったのは確かですが、とても真剣に見入ってださっていた様子。
佐久のみなさん、『月夜のファウスト』はいかがでしたか? これから、県内各地にお邪魔します。
2019年度串田和美監督事業は、トランクシアター・プロジェクト2019「月夜のファウスト」を実施しました。各地域の実行委員会と協働し、北は飯山から南は飯田まで、長野県内11会場と山形・仙台を巡回しました。
【上 田】 09月28日(土)29(日) 犀の角
【佐 久】 10月03日(木) sakumo佐久市子ども未来館
【安曇野】 10月04日(金) あづみのコミューンチロル
【飯 田】 10月05日(土) 長野県飯田創造館201号室
【伊 那】 10月06日(日) 伊那西小学校多目的室いな西てらす
【飯 綱】 10月08日(火) いいづなアップルミュージアム
【松本波田】10月16日(水) 松本市波田公民館
【飯 山】 10月18日(金) 飯山市文化交流館なちゅら 特設ステージ
【軽井沢】 10月19日(土) 信濃追分・文化磁場油や ギャラリー・一進
【茅 野】 10月20日(日) 信州八ヶ岳長寿寒天館
【松本安曇】10月22日(火) 松本市安曇保育園