須坂市:須坂に劇場をとりもどす

須坂市
トランクシアター須坂プロジェクト

トランクシアター須坂プロジェクトでは、この企画のタイトルを「須坂劇場」としました。トランクシアター・プロジェクトでは、「日常の生活の延長にある演劇」「演劇が身近に感じられる生活」をテーマに据えました。そのときに、すぐに思いたったのが、大正時代に須坂にあった劇場「須坂劇場」でした。
「須坂劇場」があった当時は、まさに日常の延長に演劇があり、多くの人々が演劇や役者から明日のエネルギーをもらっていたのではないでしょうか。ですから、タイトルには、このトランクシアタープロジェクトを通じて、当時のように人々にとって演劇が身近なものになったらという気持ちを込めています。

また、須坂市には古い歴史的な街並みが残されており、このプロジェクトの会場にそれらの建物を活用することで、市内外の人々に町の歴史や魅力を伝えることもしたいと考えました。残念ながらタイトルに冠せた「須坂劇場」は取り壊されてしまい、現在は残っていないため須坂らしい建物として土蔵を活かした会場はないかと探しました。そして須坂市の老舗の味噌屋「塩屋醸造」が、穀物蔵だった土蔵を改装し現在はホールとして貸し出していることを知り、今回の会場はこちらをお借りすることにしました。

8月には、参加する観客に演劇に親しみをおぼえてもらおうと実行委員のメンバーと考えた演劇ワークショップを行いました。須坂市出身の染織家・木村不二夫さんの作品を鑑賞して、そこからグループごとに物語を想像し、演じるという即興劇のワークショップでした。「演じるなんてしたことがない」という人が大半でしたが、始めてみると、みなさんとても夢中になって作品から物語をつくり出し、熱の入った演技を見せてくれました。

8月24日の公演当日には、須坂の食文化を知ってもらうために地元の伝統野菜を使ったお弁当の振る舞いも行いました。かなり豪華なお弁当に仕上がり、お客様にもとても好評でした。チケットは、予約段階で売切れだったのですが、当日いらっしゃったお客様もいて、何とかお席を作り鑑賞していただくことができました。


串田さんの演劇をリハーサルから見ることができたのは貴重な体験でした。お芝居の中で台本では大根を切るところを、地元の伝統野菜(八町きゅうり)切って欲しいとお願いしたところ、快く劇中で使っていただけたことが嬉しかったです。

小さい会場での、ライブだからこそ感じられる役者の息づかい、迫力に、演劇をまったく見てこなかった人からも面白かった、来てよかったという感想を聞くことができたことは、今回、トランクシアター・プロジェクトを須坂で開催した意義につながりました。

台風が去ったあとの大変暑い中での開催となり、串田さんをはじめ、武居さん、下地さんには体力の消耗が激しい公演だったのではないかと思いますが、それを感じされない素晴らしい演技を見せていただき、本当にありがとうございました。


また、設営スタッフの皆様、塩屋醸造様、郷土食ブランド作りグループの皆様、当日協力してくれた仲間や実行委員メンバー、長野県文化振興事業団の皆さまには、心から感謝しております。ありがとうございました。

文:田中新十郎(トランクシアター須坂プロジェクト実行委員会 委員長)

長野県芸術監督団事業トランクシアター・プロジェクト2018
トランクシアター地域プロジェクトは、長野県芸術監督団事業と地域の実行委員会の皆さんとで協働で作り上げるプロジェクトです。
『或いは、テネシーワルツ』についての情報は以下のページをご参照ください

トランクシアター・プロジェクト2018『或いは、テネシーワルツ』

2018.07.26