司会の方の紹介が終わって「さんぽ」(となりのトトロ)のメロディは鳴り響きますが、あれあれ?藤原さんの姿がちっとも見えません。そう、意表を突いて、お客さんたちが座っているスペースの後ろから、皆さんの座る間を縫って入場をしてきました。トロンボーンのスライド管を上に向けたり下に向けたり、軽快な音楽に合わせて踊るように。
トロンボーンという楽器を紹介し終えると、運動会でおなじみジャック・オッフェンバックの「天国と地獄」を演奏、会場のテンションがさらに上がります。そしてアニメ「名探偵コナン」のメインテーマをひと吹き。「実は僕が作曲しているんです」と話すと、お母さんたちの間からどよめきが起こりました。この日は、こんなシーンが何度も起こりました。お母さんたち、きっとお子さんと一緒にアニメをいっぱい見ているのかな?
「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」、「となりのトトロ」の主題歌とみんなの大好きな曲が続きます。「となりのトトロ」では、「トットロトトロ♪ トットロトトロ♪」のところを一緒に合唱しました。
そしてグッと大人っぽい曲、「アメージング・グレイス」で気分転換。2018年11月14日に、日本赤十字社で行われた、ハンガリー出身で19世紀に活動したセンメルヴェイス医師の胸像胸像設置式典で藤原さんが演奏し、当時の美智子皇后様から「印象に残りました」とお声がけいただいたのだとか。
再びアニメソングに戻って「忍たま乱太郎」の「勇気100%」でまたみんなに元気を注入。実は、藤原さんが前夜寝ずに考えたという振り付けをいつの間に覚えたのか、劇場職員の山田さん、芸術文化推進室の藤澤さんが“イケメンお兄さん”として登場して、みんなの前でハツラツ?と踊りました。
締めくくりは、ディズニーの「イッツ・ア・スモールワールド」。藤原さんは大のディズニー好き。それが高じたのか、香港ディズニーランドから作曲の依頼があり、子供たちが笑顔になれるような曲をたくさん作ったのだたそう。
この曲で終わりかと思いきや、お母さんたちからアンコールが起こりました。打ち合わせにあったのか、なかったのか、柱の陰で一度は小さくなって隠れた藤原さんが再び登場。最近のドラマ「パーフェクトワールド」「白衣の天使」「俺のスカート、どこ行った?」「なつぞら」などの曲を演奏していること、シチリア島の国際コンクールの審査員をやりに行くことなどをお話しした後「愛の讃歌」を最後に演奏しました。いつの間にか、通りがかりの大人のお客さんがたくさん! 見事な演奏に聞き入っていました。
お母さん方からは「生の演奏はすごいなあ。子供にも聴かせられて良かったです」「有名な方の演奏が聴けて良かった」「私、泣きそうになってしまいました。皆さんいたから泣けなかったけど」「子供は1歳なんですけど、すごく真剣に聞いていたから心に響いたんだと思います」などの感想をいただきました。その言葉を表すようにサイン会、撮影会の触れ合いにも、ずいぶんたくさんの方々が列を作りました。