皆さんの活動の様子は、こちらのブログ「トランクシアターちの」で読むことができます。
茅野市民館さんは、さまざまなプロジェクトごとにいろんな市民の皆さんを巻き込むことが得意です。今回も「信州八ヶ岳 長寿寒天館」のある宮川地区を盛り上げるという目標を掲げ、「串田和美さんと一緒にぶたいつくり隊」のミーティングや『ファウスト』の勉強会などを重ね、幅広く門戸を開いていました。
公演に合わせて実現したのは会場作り、来場者に配布するための地区の民話や歴史を描いた「宮川ものがたり地図」を制作、名産の寒天でのおもてなしです。
会場の特設舞台の設営には茅野市民館の舞台テクニカルスタッフさんと数名の市民ボランティアの皆さんがかかわってくださいました。内覧会では参加者みんなで動線の確認などを行ったそうです。客席とステージがキュッとまとまった空間に、串田さんも若いころ活動した、六本木の地下劇場を思い起こしていたかもしれませんね。
「宮川ものがたり地図」では、安国寺区在住の小海嘉介さんと元市八ケ岳総合博物館館長の小池春夫さんの協力を得ました。地区内の建築物や社寺などを吹き出しで紹介し、阿弥陀堂にまつわる民話なども掲載。QRコードを読み込むことで、茅野市民館の劇場と地域のつながりを広げ、演劇の楽しさを伝える活動から生まれた「おでかけ隊」が演じる美人尼さんといたずらムジナの民話劇も見られます。
そして、当日のおもてなしとして、観劇後に出演者と交流を図るアフターサロンと銘打って「KANTEN Bar」をオープンし、松木寒天さんのスタッフ手作りの見た目もカラフルな天寄せのオードブルに、八ヶ岳でローズウオーターをつくっている皆さんがオリジナルスイーツを作ってくださいました。ご近所のcafe CROSSさんが美味しいコーヒーを淹れてくださいました。観劇を終えたお客様は、家族で、お友達同士で天寄せに舌鼓を打ちながら、席を回った出演者とともに感想を語り合っていました。
松木寒天の熊沢美典さんが、皆さんを前に語ってくださった思いが印象的でした。
「便利な粉寒天がある中、極寒の空の下、ある意味で命がけで昔ながらの棒寒天づくりを残したいという思いと、串田さんが演劇作りにかける思いや『月夜のファウスト』の物語に、もちろんジャンルは違うわけですけど通じるものがあると感じました」
この劇場やカフェスペースはひとまずこのまま維持されるそうで、会の終わりごろには、「おでかけ隊」の公演をやりましょう!などの会話もなされていました。落語会や小さな発表会で使われ始めると楽しいですね。