【演劇】「紙芝居と朗読によるファウスト」開催レポート


2019/12/17 (火) 更新

【演劇】「紙芝居と朗読によるファウスト」開催レポート

 2019年10月に上演した、トランクシアター・プロジェクト2019「月夜のファウスト」。このプロジェクトに伴い、トランクシアター2019飯山プロジェクト実行委員会は「旧きドイツのマリオネットファウスト」をテキストに朗読会を約4ヶ月に渡って開催してきました。その集大成として、12/14(土)に朗読会参加者有志により「紙芝居と朗読によるファウスト」の上演を行いました。


この日の飯山は薄黒い雲がどんより垂れ込む曇り空。時折雨もちらつきます。いかにも悪魔が出てきそうなお天気で、「ファウスト」を上演するにはぴったり(?)なお日柄かもしれません。
寒い屋外から逃げるように劇場の中に入ると、開演にはまだ時間があるにも関わらず、すでに大勢のお客様がいらっしゃいました。「月夜のファウスト」からおそよ2カ月ぶりとなる飯山での「ファウスト」を心待ちにしていた人も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。開場中、舞台上には8脚の椅子がぽつんと置かれているだけ。ギター演奏の上倉さんがチューニングする音も時折混ざり、否が応でも期待が高まります。

さて、14:00になりいよいよ開演となりました。黒の衣装で統一した朗読の皆さんが静かに入ってきて、それぞれの椅子に座ります。朗読の方々はマイクも使わず、それぞれ自分の声でセリフを語っていきます。皆さん自分の役に入り込み、一言一言丁寧に話していきました。4カ月の朗読会の成果をひしひしと感じさせます。

さて、今回の朗読に使われたテキストは、トランクシアター2019飯山プロジェクト実行委員会のオリジナルのテキスト。「ファウスト」なのに安土城(!)がでてきたり、「月夜のファウスト」へのオマージュ(!)があったり。「ファウスト」の筋書きを知らない人はもちろんのこと、知っている人や「月夜のファウスト」を見た人も楽しめる内容になっていました。

今回、この素敵な紙芝居を作ってくださったのが、飯山市在住のイラストレーター山嵜翠さん。単なる紙芝居ではなく、紙のパペットを操る一種の人形劇に仕上がっており、いつまで見ていても全く飽きません。本番では、この紙芝居を舞台奥のスクリーンに映していました。


公演の最後には、飯山プロジェクト実行委員で、なちゅらの職員でもある池田春彦さんからご挨拶が。「本公演をもちまして、足掛け1年に渡ったトランクシアター飯山実行委員会の活動はすべて終わりとなります。ありがとうございました」。すべてを締めくくるその言葉に、会場からは盛大な拍手が送られました。

トランクシアター2019飯山プロジェクト実行委員会の皆さん、本当にお疲れ様でした!


「紙芝居と朗読によるファウスト」
【日 時】2019年12月14日(土)14:00開演(13:30開場)
【会 場】飯山市文化交流館なちゅら 大ホール特設ステージ
【料 金】≪入場無料≫
【朗 読】山浦一雄・今井理恵子・松澤重慶・原真人・滝沢恵美子・清水幸子・風間紀久子・上倉貴浩・山田郁子
【紙芝居絵・宣伝美術】山嵜翠
【お問い合せ】飯山市文化交流館なちゅら(0269-67-0311)
【企画・制作】トランクシアター2019飯山プロジェクト実行委員会