クラシックと聞くとどこか敷居が高く、どんな風に楽しんでいいか分からない。といった声を聞くことがあります。
そんな疑問を解決し、クラシックの魅力を分かりやすく伝えるために企画されたのが、8月3日(金)、4日(土)に飯山市文化交流館なちゅらで行われた2つのレクチャーコンサートです。
まず8月3日(金)に行われたレクチャーコンサートの題材はオペラ『椿姫』。通常のオペラといえば歌と演奏で物語を展開していくのですが、今回のコンサートでは、『椿姫』の物語をコンサート・ソムリエとして活躍されているフリーアナウンサーの朝岡聡さんが解説を交えて紹介し、ソリストが歌声を披露するというスタイルで行われました。
難しい時代背景や登場人物の心情を軽快に語る朝岡さんと、ソリストの迫力ある歌声が作り上げる劇空間はなんとも絶妙で、新しいエンターテインメントが生まれていました。
「ストーリーが分かったからこそ歌声の迫力に圧倒された」「とにかく感動した!」「今度はオーケストラの演奏がある中で聞きたい!」と絶賛の声が多く聞かれました。
8月4日(土)に行われたレクチャーコンサートは、小林監督がオーケストラをまとめ一つの曲を作り上げていくまでの裏側を見せる公開リハーサル形式で行われました。コンサートの司会をされた朝岡さん曰く、オーケストラのメンバーは料理で言うところの素材。
料理人であるマエストロの匙加減で、同じ素材であっても完成された料理の味付けは全く違うものになるとのこと。
演奏者はもちろん、観客の皆さんも小林監督がどんな演奏をもとめて指示を出していくのか、演奏者はマエストロの期待に応えられるのか、楽しみにその過程を見守りました。
終演後には「裏側を知ったことで今後オーケストラの見方が変わって楽しみが増えた」「吹奏楽部の子供たちに見せたい」「マエストロの指示に応えられる演奏者はホントにすごい!」「8月5日のコンサートもぜひ聞きたくなった」などの感想が聞かれました。
慶応義塾大学卒業後テレビ朝日にアナウンサーとして入社。「ニュースステーション」などに出演後フリーに転向。TV・ラジオなどのほかクラシック音楽の分野でも司会やプロデュースで活動中。興味深い内容を軽妙なトークやインタビューで構成し、芸術の裾野を広げる司会者として注目と信頼を集めている。
生野 やよい(ソプラノ)
2002年に渡伊し、ミラノとローマで研鑽を積む。2005年イタリアにてオペラ「アイーダ」タイトルロールでデビュー。2014年ドイツマイネフランケン歌劇場付きソプラノ歌手契約。同年イタリアのR・レオンカヴァッロ国際声楽コンクールにおいて「アリア」と「オペラロール」の各部門で優勝、2部門で審査員満場一致で優勝という快挙を果たした。2017年プラシード・ドミンゴ審査員長とする米国ワシントンオペラオーディション合格。藤原歌劇団所属。ニューヨーク在住。
笛田 博昭(テノール)
名古屋芸術大学音楽学部声楽家主席卒業。同大学院修了。その後イタリアへ、留学中コンクール優勝。フェッラーラ歌劇場で「イル・トロヴァーレ」マンリーコ役で出演。イタリアをはじめ国外において多数のオペラに出演。帰国後、「仮面舞踏会」リッカルド、「トスカ」カヴァラドッシ、「カルメン」ドン・ホセ、「道化師」カニオなど、藤原歌劇団をはじめとし、プリモ・テノールとして数多く出演。2017年世界的ディーヴァのマリエッラ・デヴィ―アの相手役、ポッリオーネを勤めた日生劇場、藤原歌劇団共同制作公演「ノルマ」での公演は特筆に値する賞賛を得た。国内外問わずソリストとしても活躍し、イタリア・ヴァチカン国際音楽祭に参加し枢密卿の音楽ミサに参加。また、NHKニューイヤーオペラコンサートの公演は記憶に新しい。第20回五島記念文化賞オペラ新人賞、文化庁新進芸術家海外留学制度研究員、第50回日伊声楽コンコルソ第1位、及び五十嵐喜芳賞・岡部多喜子賞受賞他、受賞多数。藤原歌劇団団員。新潟県湯沢町特別観光大使。
寺田功治(バリトン)
東京音楽大学付属高等学校、東京音楽大学声楽演奏家コース卒業。英国ギルドホール音楽演劇学校から小学金を受け大学院修士課程オペラコース修了。ネザーランド・オペラ・スタジオ研修生修了。小澤征爾音楽プロジェクト、及びサイトウ・キネン・フェスティバルにて小澤征爾氏と共演。ブリティッシュ・ユース・オペラではプッチーニ「ラ・ボエーム」マルチェッロ。英国グラインドボーン音楽祭にて歌劇「ドン・パスクワーレ」マラテスタ役のカヴァー・キャスト。アイルランド・ウェックスフォード・フェスティバル・オペラではこれまでに「ジャンニ・スキッキ」公証人、「ナヴァルトの女」ブスタメンテ、ヨーロッパ初演上演になったケヴィン・プッツ「サイレント・ナイト」英国中佐を勤める。第57回全日本学生音楽コンクール大学・一般の部全国大会第1位。第11回コンセール・マロニエ21第1位。第7回エレーナ・オブラスツォワ国際声楽コンクール第3位。2011年度英国クロンター・オペラ賞と共に聴衆賞授受。2012年度レ・アズリアレ賞受賞。第85回日本音楽コンクール声楽部門第2位。
文責:(一社)長野県文化振興事業団 芸術文化推進室 町田弘行
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